1. 合同会社ジーン 近藤 将人 氏

東京都創業NETインタビュー

創業支援拠点「BusiNest(ビジネスト)」に加入し、専属コーチの助言を受けながら事業拡大

合同会社ジーン代表
近藤 将人 氏
東京農業大学卒業後、在学中から手掛けていた楽曲製作や舞台照明を手掛ける。地元多摩地域の番組制作に携わる中で、ビジネストに出会い2016年1月に入居、同年7月に創業。中小製造業向けにVR(仮想現実)映像の製作・活用提案のサービスを提供する。

創業支援拠点「BusiNest(ビジネスト)」に加入し、専属コーチの助言を受けながら事業拡大

ジーンは中小製造業向けにプロモーション用VR(仮想現実)映像の製作サービスを提供する。360度の映像が撮れる特殊なカメラを使い、企業の製造現場などを撮影。撮影した映像をヘッドマウントディスプレーでのぞくと、そこに製造現場が広がる仕組みで2016年に創業。中小機構が運営する創業支援拠点「BusiNest(ビジネスト)」に加入し、専属コーチの助言を受けながら事業拡大を進めている。近藤将人代表に創業の経緯やビジネストの利用方法などについて聞いた。

20歳、音楽を始める

大学では食料環境経済学という、経済学と食に関する国際的なことを学んでいました。勉強の傍ら、友人に「音楽を一緒にやらない?」と誘われたことが転機になります。しばらくは独学で楽曲をつくったり機材をいじったりしていました。

23歳~28歳の現在 舞台照明のお手伝いから起業を模索

近藤 将人インタビュー02

新しい技術を誰かに習いたいと楽器店のセミナーに参加。そこで「舞台照明を手伝ってほしい」と声をかけられ、演歌ショーやバレエコンクールなどの照明をお手伝いし、現場で教わりながらだんだんと覚えていきました。会社には就職せずに、舞台制作や楽曲づくりに没頭する毎日。

舞台照明で声掛けくださった方が、八王子の情報番組を手がけはじめ、お手伝いをしていました。この番組の夏休みイベントで子供たちに番組づくりを体験してもらう企画があり、その会場がビジネストでした。その時に、創業支援拠点の存在を初めて認識しました。

ビジネストに入居、創業

映像や音楽の制作をしながら自分のスキルを磨いていましたが、自分の強みをどのように生かしていこうか考えていた矢先に、ビジネストのような場所を見つけました。ここは3か月に1度、入居募集のタイミングがあります。次の募集がありました2016年1月に加入を決めました。

入居期間は2年間で「自分ができること」「やりたいこと」「ターゲット」を決めたり、事業計画書をつくったりするための分析を進めていきます。この準備期間のあいだに、ビジネストのコーチが経済産業省・中小企業庁の「創業促進補助金」があることを教えてくださり、挑戦することに決めました。倍率も高く、申請は通りませんでしたが、これまでにあまり世の中にない新しい事業や変わった価値、今までなかったようなことをやるということで、何をベースに補助金を獲得するかということで、セミナーで出会った「VR(仮想現実)」という技術を軸に事業を進めていくことを決めます。

製造現場をVRでまるごと見せる

近藤 将人インタビュー02

VRを使った見せ方は最近、少しずつ出てきていますが、どのように活用することでこれまでの世の中にあるものと違った価値を生み出せるか----創業補助金の申請書作成の際、最初は一般的な撮影について書いていましたが、申請書提出の2週間ほど前に大きく内容を変えました。多摩地域には特徴的なモノづくり企業が数多く存在し、この企業向けに何かできればと考えたのです。とはいえ、使い手にニーズがなければ仕方ありません。

販路開拓を目的にビジネストに入居している企業様にVR映像を見ていただきました。

ゴーグルの中をのぞくと、ぐるりと360度を見渡すことができて、まるで今いる世界と別の世界にいるような風景を映像として見ることができます。ゲームの世界では普及しつつある技術をモノづくりの世界でビジネスとして使っていただくことを考えました。

その企業様は九州に製造拠点を持ち、東京で販路開拓をされています。都内の展示会に出展されると関心を持ってくださった顧客候補の方から九州の製造拠点を見たいというリクエストをいただくそうですが、「移動時間もお金もかかるため、すぐにご案内することができない場合にも、うちの工場はこういうところですというのが視覚的に理解いただける」という反応。「写真ではわからない工場の雰囲気、知りたいことがぎゅっと詰まっている」と感動の声を頂きました。取引するにあたってどのような現場でモノづくりをしているのか、当たり前すぎる風景を見たいという需要は多く、展示会などで商談につなげるためのひとつのツールとして使っていただいています。料金は30万円程度から、撮影機材として使うカメラや撮影内容によっても変わってきます。

ビジネストの活用

大手メーカー等での勤務経験がある専属のコーチがついて、月一回の面談をしていただくほか、心配事やわからないことを都度、相談できる方がいらっしゃいます。わからないことを調べる時間はロスですし、精神的に心配事をすぐに解消できる体制はかなりありがたいと思っています。

自分でも情報収集しますが、コーチから補助金の情報などをいただいたり、入居企業を紹介いただいたりすることで、仕事に広がりが出てきています。

今後の展望

距離や時間の制約を解決し、素早くビジネスが展開していける仕組みを構築していきたいと思います。企業のPRのみならず、雇用や社内教育ツールとしても活用していただき、人と人とを繋ぐ新たなコミュニケーションツールとして普及していければと考えています。

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