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広がるIoT シーテックの新技術・サービス(下)オープン・イノベーション

日刊工業新聞電子版
(2017/10/6 5:00)

  • CEATEC(シーテック)ジャパン2017
  • オープンイノベーション
  • 共創
  • IoT

IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)といった新しい技術トレンドを受け、オープン・イノベーションによる開発が一層存在感を増している。別々の企業が持つ製品や技術がつながることで、新しい価値が生まれるからだ。

参考出品したAIスピーカーには、NTTドコモのAIエージェントを採用(NEC・レノボグループ)参考出品したAIスピーカーには、NTTドコモのAIエージェントを採用
(NEC・レノボグループ)

NEC・レノボグループは、ホームIoTで他社と連携を深める。「CEATEC(シーテック)ジャパン2017」に参考出品したAIスピーカーは、日本語が得意なNTTドコモのAIエージェント「セバスチャン」と接続。家電操作や天気予報、乗り換え検索などを実演した。

他社のスピーカーと同じような機能に見えるが、家電操作を仲介するIoT基盤「プラスベンリー」に違いがある。同基盤は一般にも公開し、他社のオープン・イノベーションも支援する。同基盤に接続するデバイスやサービスは年内に約35種類へ拡大し、利用者は自由に組み合わせてサービスを開発できる。極端に言えば、技術を持たない人も、同基盤と対応デバイスを使い、IoTビジネスに参入できる。

ガンダムに詳しい会話型ロボット「ガンシェルジュ ハロ」。エンターテインメント性を強みにする(バンダイナムコ)ガンダムに詳しい会話型ロボット「ガンシェルジュ ハロ」。エンターテインメント性を強みにする(バンダイナムコ)

バンダイナムコホールディングスは、AIやIoTとの組み合わせに新たなオモチャのニーズがあるとにらみ、新ブランド「BN・Bot(ビーエヌ・ボット)プロジェクト」を立ち上げた。第1弾として、ガンダムに詳しい会話型ロボット「ガンシェルジュ ハロ」を開発し、2018年の発売を目指す。数ある会話ロボの中で「エンターテインメント性が強み」(同社)と話す。専門技術を補うため、プロジェクトでは柔軟に他社と連携する。

ハロの会話には、日本IBMのAIを活用した。ガンダムシリーズは歴史が長く、バンダイナムコは膨大なデータを持つ。そこで、ハロはAIを使い、膨大なデータにアクセスしてマニアックな受け答えをできるようにした。「長年のガンダムファンが『お前、そこを突くのか』と思うはず」(同)と笑顔で語る。

消費者とのオープン・イノベーションも増えている。会場内には高校生がコンセプトを考案した、キーボードやディスプレーをなくしたパソコンも登場した。またパナソニックは、共創に向けてブース内で開発者と来場者がコミュニケーションするイベントを実施した。

一方、オープン・イノベーションの支援を専門とする仕事も増えてきた。リンカーズ(東京都中央区)は、企業間や企業と大学などとのビジネスマッチングを手がける。専門はモノづくり。水中地形を3次元計測したい建機大手のコマツと、超音波で水中の地形を調べる装置を開発するコデン(同豊島区)をマッチングした実績もある。リンカーズの石山沙羅プロジェクトマネージャーは「確度の高い案件を紹介できる」と自信を示す。企業名を明かさないなど、企業の要望に沿うように進めている。

IoTやAIなどの新技術は、日本の産業界に化学反応をもたらしている。つながることで、新しい価値が生まれることが期待される。

(後藤信之、六笠友和、梶原洵子、石橋弘彰、平岡乾、西沢亮、園尾雅之、渡辺光太、福沢尚季が担当しました)

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