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都中小公社、多摩で製造業に特化した創業支援 研究者らの独立を後押し

日刊工業新聞電子版
(2017/12/6 05:00)

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製造業の創業支援を後押しする「多摩ものづくり創業支援事業」製造業の創業支援を後押しする「多摩ものづくり創業支援事業」

【立川】東京都中小企業振興公社多摩支社(東京都昭島市)は、製造業に特化した「多摩ものづくり創業支援事業」に乗り出した。計測・分析機器など高度な産業が集積する東京・多摩地区の産業特性を生かした創業支援に力を入れる。コストなどの面で製造業の創業をゼロから進めるのは難しいとされる中、地域の産業に合った課題解決を模索し、モノづくり企業の新たな支援に取り組む。(西東京・松崎裕)

製造業は、創業の大部分を占めるITや卸売り、小売り、サービス業などと比べ製品の開発や試作、製造など事業化までの工程が長期化しやすい。技術開発のための施設や設備なども必要になり、コストがかさむ。経験の少ない営業やマーケティング、経営などの能力も求められ、それらが創業のハードルをさらに高くしている。

同支社はセミナーや学習プログラム、コンサルティングによる相談など、中長期にわたり製造業の創業時に必要となる基礎知識の習得や事業アイデアの具現化をサポートし、創業までの道筋を明確にしていく。さらに施設の整備や改修などの経費を補助する「多摩ものづくり型創業支援施設整備補助事業」など東京都とも連携し、ソフトとハードの両面で創業環境を整備する。

創業支援事業は、多摩地区でモノづくり企業の創業を検討、または創業して5年以内が対象。大企業に勤め独立を考えていたり、大学・大学院などの研究者ら製造業に関して一定の経験や知識を持ち合わせ、その後の独立を踏み出そうとする人の利用を想定する。

同支社は、多摩ものづくり創業プログラムと称し、創業のための知識やスキルを集中的に身に付ける学習プログラムを開講した。製造業の創業で困難とする課題に力点を置く。マーケティングや財務・資金調達、法務、知財など経営する上で持ち合わせていなければならない基礎的な能力を身に付けてもらう。デザイン力や、提案に必要なプレゼンテーション方法も学び、最終的に事業計画書を作成。講師の中小企業診断士の酒井勇貴氏は「質が高く良い製品が売れるとは限らない。技術者、エンジニアでありながら、創業することは経営者になるという意識の切り替えが重要になってくる」とポイントを説明する。

創業プログラムだけでなく、無料のプランコンサルティングによる相談が常時受けられる。セミナーや学習プログラムを受けるだけでなく、創業までの具体的な戦略をマンツーマンで形にする。さらに試作品開発のための3Dプリンターの利用や経営、財務、法律などの各専門家の派遣、東京都立産業技術研究センターでの試験や評価、分析などの施設利用の支援が無料で受けられ、事業を進める上で必要なコストの負担も軽減する。

東京都中小企業振興公社多摩支社の蛭間直道氏は「セミナーやプログラムに限らず、通年で相談を受け付けており、創業を目指す方に対応できるようにしたい」と話した。

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