1. 株式会社センシンロボティクス 代表取締役社長 北村 卓也 氏

東京都創業NETインタビュー

株式会社センシンロボティクス 代表取締役社長 北村 卓也 氏インタビュー

株式会社センシンロボティクス 代表取締役社長 
北村 卓也 氏
学習院大学卒業。日本IBM、日本マイクロソフト、SAPジャパンなど外資系企業で、コンサルティングビジネスや、ビジネスアナリティクスなどの経験を積んできた。2018年に、株式会社センシンロボティクスから声をかけられ、営業部長として、同社に入社。翌年、社長に就任し、ドローンやソフトウエアを開発して売るプロダクトアウトのビジネスから、顧客からニーズを引き出し、ドローンを使ったロボティクスソリューションを提案するマーケットインのビジネスに転換。大きく業績を伸ばしている。
株式会社センシンロボティクス Webサイト

社会課題、顧客課題をロボティクスで解決する

株式会社センシンロボティクスは、産業用ドローンを活用して、高所設備や災害地など、危険個所での設備点検・災害対策・警備監視を人に代わって行うなど、ロボティクスの技術を使って顧客課題や社会課題を解決する事業を行っている。
もともとは、Web会議システムなどで知られる株式会社ブイキューブの新規事業として、ドローンとWeb会議システムとを融合させたシステムを開発したのが始まりだ。
現・代表取締役社長の北村卓也氏は、一度きりの人生なのでより具体的に世の中の役に立つ社会貢献性の高い仕事をしたいと考え、2018年に営業部長として同社に入社。2019年4月に、社長に就任した。

社会の役に立ち、子どもに誇れる仕事がしたいと転職

外資系の大手IT企業で10数年キャリアを積んできましたが、本国の指示を受けて仕事をする外資企業でこのまま働き続けることに疑問を感じていました。二人の子を持つ父親でもあり、子どもに誇れる仕事をしているかと自分に問うたときに、Yesとは言えなかった。1度しかない人生、もっと社会的に意義のある仕事をしたい。自分の肌感覚で会社の成長を実感できる仕事をしたいと考えていたときに、センシンロボティクスと出会ったのです。私はちょうど40歳になっていました。

全く無名のベンチャー企業への転職。当然年収も大幅に下がります。迷いましたが、「人の代わりに危険な場所で活躍するドローン」に、無限の可能性を感じましたし、より良い未来に貢献できる仕事だと思い、転職を決意しました。

お客様に買いに来てもらうビジネスから、お客様の潜在的課題やニーズに合わせて提案するビジネスへ

入社して、すぐに後悔しました(笑)。社内は静まり返っていて、私がイメージしていたベンチャー企業とは全く違う。寝る時間も惜しんで皆でワイワイガヤガヤ、夢に向かって突き進む。そういう明るさや活気が感じられませんでした。

これは、根本的に変えなければなければならない。そう思い、大胆な組織改革や意識改革に取り組みました。
一番の問題は、モノが売れていないこと。世の中にないサービスを作っているのでベンチャーあるあるだと思うのですが、自分たちの作った製品に自信があるので、なぜ売れないかがわからない。「時代がついて来られないだけだ」「顧客の見る目がないのだ」と、売れない原因を人のせいにしがちです。まず、そこから変えていかなければならないと思いました。

株式会社センシンロボティクス 代表取締役社長 北村 卓也 氏インタビュー

私たちは、まだ世の中にないものを売ろうとしているのです。顧客が何に困っているのか、何を必要としているのか、客先に飛び込み、顧客から教えてもらう。顧客のフィードバックをもとに提案をし、だめならやり直す。顧客の業務課題に寄り添い、ともに汗をかいて解決法を考える。外資系のIT企業で培った、コンサルティングビジネスの手法が役に立ちました。結果的に、1年後には前年比350%の売上を上げることができました。

ベンチャー企業の攻め方には2つのパターンがあります。一つは小規模な企業との取引で実績を積み上げ、実力をつけてから大手企業を攻めていく方法。もう一つは、最初から業界最大手にアプローチして実績を作り「あの会社に信頼を得ているのならうちも話を聞いてやってもいい」と思っていただく方法。当社は、後者をねらいました。前職での人的ネットワークや、どういう人なら新しいアイデアに共感してくれるかという、ビジネスの勘が役立ちましたね。

大切にしているのは、否定しないこと、異能の人を集めること

経営者として大切にしていることは、まず、否定しないことです。

私たちが挑戦しているロボティクスという分野はまだ新しく、世の中に大きなマーケットが存在していません。つまり、こうすれば勝てるという勝ち筋がない。トライ・アンド・エラーを高速で繰り返し、正解を見つけるしかないのです。だから、どんな意見も否定せず、とにかくやってみるという姿勢を大切にしています。どこから良いアイデアが生まれるかわかりません。私の狭い経験や思いつきで、チャレンジの芽を摘みたくないのです。

もう一つ大切にしているのは、異能の人を集めること。当社には、様々な職歴、技能を持つ人たちが集まっています。国籍も様々です。同じような人たちの集団からは面白いものは生まれないと思っているからです。よい人材を集めることは、社員のモチベーションを向上し、ビジネスが好循環していく上でも重要だと考えています。

ロボティクスといえば、センシンロボティクスだね、と言われる会社になりたい

われわれの仕事は、ドローンをはじめとするロボティクスソリューションによって、労働力不足、災害対策、高齢化などの社会課題や、企業の課題を解決していくこと。ターゲットとなるのは、電力、石油、通信、鉄道、鉄鋼、建設、道路、そして自治体といった、社会のインフラを支える企業や団体です。

株式会社センシンロボティクス 代表取締役社長 北村 卓也 氏インタビュー

目指しているのは、社会インフラのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するリーディングカンパニーです。ロボティクスカンパニーと言えば、センシンロボティクスだね、と言われる会社になりたいですね。

今後は、ドローンを使って人の代わりにデータを集め、それをビッグデータ化しAI解析を用いて将来の予兆分析や予防保全にもつなげたい。それによって、企業や自治体、引いては国の重要な意思決定に寄与し、直面する社会課題の解決の貢献できたらと思っています。

これから起業する人へ、よりチャレンジングな道を選んでほしい

人生の岐路に立ったとき、複数の選択肢があるなら、僕は、一番チャレンジングなもの、つまり自分にとって一番辛いと思うことを選択するようにしてきました。それは、まだやったことがないことであり、必ず新しい発見があり、苦しくてもわくわくする体験になると信じているからです。

人生は一度きりです。すべてはやるかやらないか。恐れずにチャレンジしてほしいと思います。

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