1. 株式会社チケミー 宮下 大佑 氏

東京都創業NETインタビュー

株式会社チケミー 宮下 大佑 氏

株式会社チケミー
宮下 大佑 氏
2020年、早稲田大学政治経済学部入学と同時にアパレルを扱うECサイトを起業。事業譲渡したのち、独立系VCのEast Venturesにてリサーチ業務に従事。
2022年6月株式会社チケミーを設立。代表取締役に就任。日本初のNFTチケット販売プラットフォーム「TicketMe」を提供。
株式会社チケミー コーポレートサイト
株式会社チケミー サービスサイト

チケットやモノの流動性を高めたら、誰もが喜ぶ社会インフラが生まれる

日本初のNFTチケット売買プラットフォーム

チケミーは、ブロックチェーン技術を用いたNFTチケット(デジタル上のチケット)を使ってモノやサービスを売買することで、世の中にあるモノやサービスの流動性を高める、これまでにない社会インフラを提供している会社です。NFTチケット売買プラットフォーム「TicketMe」では、コンサートや演劇、イベントなどのイベント券と、グッズや食品などモノを扱っています。
僕が以前から興味をもっていたブロックチェーンを使えば流通を変えられると思ったことがきっかけで「TicketMe」のアイデアは生まれました。これまでデジタル上に置かれているモノと、現実世界にあるモノは本質的に紐付けが不可能でした。例えば楽天市場で販売しているモノをAmazonに移動させるなど、アカウントをまたいでモノを渡し合うことができなかったのです。ブロックチェーンを使うと所有権を証明できるので、デジタル上でのやり取りが可能になります。社会課題になっているチケットの不正な高額転売を防ぐだけでなく、流通を効率化させることで健全なエンタメ流通の実現を目指しています。

株式会社チケミー 宮下 大佑 氏

流通とブロックチェーンの親和性に気付いて

もともとは建築学科を志望していたのですが、大学では政治経済学部に進むことになりました。勉強にあまり前向きになれず、コロナ禍で大学に行けなくなったこともあって時間ができ、アパレル商品を扱うECサイトを立ち上げました。
一定の成果が得られたのでECサイトを事業譲渡して、独立系のベンチャーキャピタルであるイーストベンチャーズ株式会社でインターンとして働くうちに、物流や流通領域に非常に興味が出てきました。ふと高校生のときから興味のあったブロックチェーンのことを思い出して、流通とブロックチェーンは相性がいいのではと考えて「TicketMe」の仕組みを思いつきました。このビジネスモデルでは、優秀な仲間をたくさん集めてやらなければ実現できないと分かっていたので、会社を立ち上げて、同じ未来を思い描いてくれる仲間を集めていきました。

メンター・サポーターの支援で成長

ASAC(青山スタートアップアクセラレーションプログラム)は、知人の紹介で参加することにしました。ASACでは、経営者仲間をつくることができることに重点が置かれていました。しかし、ASACに採択されている企業の多くは、起業して間もないなどステージが近いので抱えている課題が似ています。ASACという機会を十分に活かすには、同じステージの経営者同士で交流し合っていてもダメだと思いました。自分たちよりも先のステージに進んでいる優秀な経営者の意見を聞きくほうがより成長できると思い、そこに重きを置いて取り組みました。
特にメンター・サポーターについてもらえたことが良かったです。メンター・サポーターから週1回のペースでメンタリングを受けることで、できたことやできなかったことを確実に振り返る時間になりました。定期的に第三者に話を聞いてもらうことで、僕も含めた経営陣がそれぞれどういった立場なのかを理解して、何をすべきなのかを把握し合うためにとても役立ったと感じています。

株式会社チケミー 宮下 大佑 氏

仲間と未来を描くことが心底楽しい

起業から1年半が経って気付いたのは、仲間と事業に取り組むことの楽しさとすごさです。強い仲間が集まって、組織で事業を展開していくと、こんなにも大きなことができるんだと感じました。この人たちと一緒だったら、何でも乗り越えられると自信になっています。同じ未来を描ける仲間に出会えるかどうかは、スタートアップ企業にとって重要なことです。僕は事業のことだけでなくプライベートな話もできるような仲間に恵まれ、ラッキーでした。
東宝さんやホリプロさんや大手の劇団さんなどに扱ってもらえるようになり、会社としてステージが一気に上がりました。ここしばらくは、クライアントさんの規模に見合うように、経営陣が全力で努力してきたと感じています。事業として正しいことを確実に行っていくと、自分たちの実力が100だとしたら、120、130くらいの力を必要とされる局面がやってきます。その局面を何度も乗り越えることで成長できましたが、それも全部仲間がいたからできたことだと思っています。決算など事務的なことでは苦労しましたが、事業を形にしていく部分では苦労を感じていません。起業する前に描いていた世界がどんどん形になっていくことが何よりも楽しいです。

株式会社チケミー 宮下 大佑 氏

誰もが喜ぶ流通の仕組みを拡大していきたい

例えばトマト農家さんが育てたものを農協さんが買い取って、手数料を取ったうえで流通する卸業者に回します。卸業者から市場を介してスーパーなどに並ぶのですが、育てて販売する間に仲介業者が入ることで、トマト農家さんが受け取れる金額は当然ですが下がります。これを例えば収穫前の時点で、トマト販売用のNFTチケットを卸業者さんや一般消費者に直接販売しておきます。そうすることでトマト農家さんは販売数の見込みも立つし、NFTチケットでトマトを購入した卸業者は、トマトに他の商品をプラスして○○セットみたいにして、二次流通させることで収益を上げることもできます。
一般消費者の手元に届くまでの流通の仕組みを変える「TicketMe」を、チケットなどを販売する人、購入する一般消費者、そして購入したものを二次流通させる人全員が喜ぶ社会インフラに成長させて、チケットやモノを流通させるだけでなく、昨今課題になっている物流の課題も解決していきたいです。

株式会社チケミー 宮下 大佑 氏

起業を目指す方へのメッセージ

自分が何を好きかということを見極めるためにも、他社でのインターンをおすすめします。特に自分が起業したい領域で、一歩先を行っているスタートアップ企業でのインターンがおすすめです。自分が起業した後に、こういうことが起こるという予測ができるようになるし、何かトラブルが起きても動じなくなります。だからこれからエンタメ業界で起業したいと思っている人がいたら、ぜひチケミーでインターンを経験してほしいです。

記事内の創業・成長支援プログラム

青山スタートアップアクセラレーションセンター

5か月間のアクセラレーションプログラムを通して、アクセラレーターや先輩起業家、さらには大志を持った多くのメンター陣の支援を受け、リーディングカンパニーへと成長するための機会と場を提供しています。特に女性起業家や成長産業等、東京都の政策課題に取り組む方々や、ソーシャルやものづくり等、ベンチャーキャピタル(VC)が投資しにくいといわれる分野で起業に取り組む創業予定者やスタートアップ企業をメインのターゲットにしています。

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