1. 株式会社ジョコネ。 北 奈央子 氏

東京都創業NETインタビュー

株式会社ジョコネ。 北 奈央子 氏

株式会社ジョコネ。
北 奈央子 氏
在職中に女性のヘルスリテラシーに着目し、会社を退職して看護大学の大学院に進学。在学中に第一子を出産後、2019年に株式会社ジョコネ。を設立。ジョコネ。とは「女性をコネクトする」の意味。著書に『女性がイキイキと働き続けるためのヘルスリテラシー』(セルバ出版)がある。
株式会社ジョコネ。 コーポレートサイト

女性の健康課題をないがしろにしない社会へ。ヘルスリテラシーの向上を目指して

女性の健康課題に、個人だけでなく社会で向き合う

ヘルスリテラシーとは、健康を決める力といわれていますが、ジョコネ。では、自身の心と体からのメッセージを受け止めて適切に対応していくことと捉えています。これまで女性のヘルスリテラシーを研究してきて、ヘルスリテラシーを身に着けるためには、自分を大切にする「自分力」を養うことが必要だと考えています。
例えば、更年期は、性ホルモンが減少する時期のことで、ほぼすべての女性が通り抜け、多くの女性が何らかのの症状を経験します。当たり前に経験することなのですが、更年期は年齢を重ねた証拠でもあるので、自分は若くないと言われているような気がして、受け止められない人もいます。そこはscientific(科学的に)に受け止め、対処できることに取り組んでほしい。そのためには無数の情報に振り回されることなく、自分に必要な情報を吟味し、吟味したものを試す力が必要です。また特に働く女性においては、行動を可能にする社会的環境も必要です。
ジョコネ。では「自分力」を養っていくための情報提供だけでなく、骨盤底筋トレーニング「底トレ®」や体の凝りを気持ちよくほぐす「ほぐトレ」などのサービスをオンラインで提供したり、働く女性の健康課題などをテーマとした企業向けセミナーを開催するなどしています。

株式会社ジョコネ。 北 奈央子 氏

自分の将来に葛藤するなかで、見えてきた起業のテーマ

医療機器メーカーでマーケティングに関わっていました。扱っているのが心臓病患者向けの機器で、心臓外科の先生方に関わることが多かったのですが、心臓外科は男性の先生が多く、会社の営業担当も男性が多くて、仕事をセーブして家族のことに関わるという意識は薄かったです。仕事最優先という環境の中で、私はこのまま子どもを産まずに仕事を続けるのか、仮に子どもを産んでもキャリアを重ねていけるのかと悩み、葛藤していました。
そんななかで、心臓病患者というエンドステージの方々に対峙している先生方と話をしていると、エンドステージにいく前に、未病や予防というステージでもっと何かできないだろうかと考えるようにもなりました。未病や予防が定着したら、課題となっている医療費問題の解決にも寄与できます。いろいろと考えていくなかで、女性のヘルスリテラシーについて研究したいと思うようになりました。2016年に会社をやめて看護大学の大学院で博士課程に進み、研究を始めました。

株式会社ジョコネ。 北 奈央子 氏

子どもが生まれてすぐに起業

2018年に第一子が生まれた時、私はまだ大学院で学んでいました。看護大学だったため、周囲はほぼ女性で、働きながら子育てをしている人が多くいたことで決断できました。
それまで私は女性のヘルスリテラシーが進まないのは、個人の知識や意識が十分ではないからだと思っていましたが、いくら知識や意識があっても、環境が整っていなければ行動することができない。逆に環境があれば行動できるということに気付けたことは大きかったです。女性の健康を取り巻く環境を変えていきたい。女性を支援したいという気持ちだけで2019年に起業しました。
しかし一人では起業できなかったと思います。ジョコネ。の取締役を務めている松井は、以前からの知り合いで、彼女がちょうど会社を辞めて独立するタイミングだったのでジョコネ。の取締役に就任してもらいました。仲間ができたことが起業を後押ししてくれたと思います。

株式会社ジョコネ。 北 奈央子 氏

さまざまな起業があることに気付けた

2019年に東京から世界を変える若い起業家を輩出するスタートアップコンテスト・TSG(TOKYO STARTUP GATEWAY)に参加したことをきっかけに、事業内容がブラシュアップされていきました。その後、3回目の応募でやっとAPT Womenの審査に通り、2021年の第6期受講生に選ばれました。女性起業家ならぜひ参加したいと憧れていたAPT Womenに参加でき、嬉しかったです。
東京都が主催している起業家養成プログラムに参加したことで、社会的信頼にもつながりました。APT WomenのWebサイトで受講生が紹介されていて、そこからお問い合わせもありました。女性の起業家仲間ができたことも良かったと思っていますが、何よりも良かったのは、自分のペースでいいと確信できたことです。それまでの私は、起業したからにはスピード感をもって事業拡大に努めるべきだと思い込んでいました。けれど先輩方を見ていると、起業の仕方はさまざまで、会社として成長していくスピードもそれぞれだということに気付け、気持ちが楽になりました。子育てと家庭との両立も考えながら、今後も自分のペースで進んでいきたいです。

株式会社ジョコネ。 北 奈央子 氏

困ったらジョコネ。と思われるプラットフォームに

最初のテーマとして骨盤底筋に取り組んでいます。「底トレ®」というトレーニングを提供していますが、もっとみなさんが取り組みやすいようデバイスの開発も進めています。国内もフェムテックに注目は集まってきており、欧米を中心に女性の健康に関する取り組みやマーケットは大きくなっていますが、まだまだフェムテックは世界共通の課題です。デバイスが完成すれば、世界を視野にいれて展開もしたいと思っています。
そして、今は骨盤底筋を中心としたサービスを提供していますが、最終的にはジョコネ。のサイトを訪れたら、自分に合った商品や情報が集まるプラットフォームのような場にしていきたいと考えています。

株式会社ジョコネ。 北 奈央子 氏

起業を目指す方へのメッセージ

私は子どもが1歳の時に起業しました。その話をするとクレイジーだと言われることもありますが、何とかなります。起業は誰にでもできることなのでぜひ挑戦してみてほしいです。
私が起業をしてから、将来起業したいという女性の学生さんにお話を聞く機会がありましたが、みなさんやはり子育てとの両立を懸念されていました。しかし起業を選択すれば、自分で決められることが増えます。ライフイベントで起業や働くことを諦めてほしくないです。
ご自身が生活しているなかで違和感があることを突き詰めたり、言語化して周囲の人に聞いてもらうことで何かが生まれることもあります。小さなことが起業の第一歩になります。ご自身の無理のない範囲で一歩一歩積み重ねていってほしいですし、そうすることで社会はもっと生きやすくなると思います。

記事内の創業・成長支援プログラム

Acceleration Program in Tokyo for Women「APT Women」

APT Womenは、スケールアップを目指す女性ベンチャーに対し短期集中型育成プログラムを提供することで、スケールアップに必要な経営知識やスキル、それらを共有するベンチャー企業同士の繋がり、更に事業展開に欠かせない協力者・支援者(ベンチャーキャピタル、メディア、大企業等)とのネットワークの獲得を支援します。

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